M&Aプロフェッショナルアワード(DX部門)受賞

建設業界特化型のM&Aコンサルティング「シードアドバイザリー」M&Aニュース-M&Aプロフェッショナルアワード(DX部門)受賞

インタビュー記事を掲載致します。

株式会社バトンズが開催するM&A Professional Award 2025は、バトンズが提携する全国約2,000社のM&Aアドバイザーから特にご活躍された方を選出し、その功績を称える日本最大級の表彰式です。今回のインタビューは、「DX部門」を受賞された株式会社シードアドバイザリーより、代表を務める朝野 一博様にお話を伺っています。

DX部門‥BATONZの機能を含めたテクノロジーを活用し、生産性や成約数の向上を実現した専門家企業に贈られる賞。

【企業概要】建設・リフォーム業に特化した事業承継・M&A支援サービスを提供。建設業において400社以上のコンサルティング実績をもち、建設業ならではの企業譲渡・譲受のマッチングをサポート。

業界の在り方に疑問を感じ、M&A支援の立場から業界をバックアップ

Q:企業概要について教えてください。

当社は、建設業に特化して事業承継・M&A支援サービスを提供している会社です。年商10億円以下の「スモールM&A」を主として取り扱っており、また赤字や債務超過に陥っている案件、いわゆる「再生型M&A」の割合が非常に多いことが特徴です。

資金ショートが目前に迫った企業様からも数多くご相談を受けてきた実績があり、さまざまな経営課題を解決へと導いてきました。多くのM&A仲介会社が敬遠するような再生案件は、当社が得意とする領域のひとつです。

Q:建設業界に特化してM&A支援に取り組まれている背景について教えてください。

私の実家は建設業を営んでおり、私自身も現場作業や経営に携わっておりました。しかし、当時の私は知識が不足しており、資金の借り方や与信管理の方法も分からず、仕事をしたのに報酬が得られない、取引先が倒産して資金が入ってこないといったことを何度も経験しました。その結果、資金が底をつき、業界全体の在り方に疑問を感じた時期がありました。

それでもこの仕事が好きだという思いは変わらず、何かこの業界を守れる方法があるのではないかと考え、視野を広げるべく東京に進出。ご縁のあった金融機関で携わったのが、M&A・事業承継支援の仕事でした。その後、シードグループの立ち上げからボードメンバーとして参加し、M&Aに携わって約8年、相続・事業承継を含めると10年ほどのキャリアになります。

グループ全体で啓蒙活動を行い、M&Aの認知拡大に寄与

Q:再生案件にはどのような経緯で携わるようになったのでしょうか?

優良な黒字企業は、我々が支援をせずとも自然とM&Aのオファーが舞い込みます。一方で、経営状況が悪い企業には買い手がつかず、倒産する企業も後を絶ちません。そのような状況を自身の経験と重ね合わせ、ここを何とか支援できないかと強く感じたのです。

当時、再生型M&Aをビジネスとして継続的に行っている企業はほとんどありませんでしたが、2年ほど試行錯誤を重ね、弁護士の先生方と協力して法的スキームを活用した独自の再生型M&Aモデルを構築しました。成功体験を積み重ねる中で、現在では再生案件が当社の得意とする領域になり、多くの事業再生をサポートしています。

Q:貴社の強みや特徴について教えてください。

当社の強みは、グループ全体としての総合力にあると考えています。私たちは「建設業に特化した総合コンサルティンググループ」として機能しており、シードアドバイザリーはその中でM&A仲介と、現在は人材紹介も手掛けております。再生型M&Aでは、M&A後の人材補強が重要な論点となるため、人材紹介も不可欠な要素です。

人材難に加えて、建設業界は財務状況が良くない企業が半数近く存在します。業界の課題は明確であるため、財務セミナーや事業承継セミナーなど、当グループで積極的に発信し、啓蒙活動を行っております。

経営課題を抱える企業を守ることは、施工途中の倒産といった大きな影響を受けるリスクの回避につながります。その実現のために、M&Aは必要な手段であり、その普及が必要だと考えています。

M&Aプラットフォーム「バトンズ」の活用とDXの成果

Q:今回、DX部門のご受賞となりました。このご受賞について、ご自身でどのように分析されていますか?

シードグループ設立の2018年ごろは、M&Aプラットフォームはまだメジャーではありませんでしたが、当社ではその当時からバトンズを試験的に利用しておりました。我々はM&Aを少人数で手掛けていたため、プラットフォームの時代がいつか来ると信じ、積極的に試していたのです。

長年バトンズを利用してきた私は、バトンズさんが事業改善を繰り返す中で、アドバイザー向けコンテンツを充実化させていくことを肌で感じてきました。今回のDX部門での受賞は、充実化していくバトンズのコンテンツを細かく把握し、活用できたことが大きいと考えています。

特に有効的に活用したのが、再生型M&Aにおける金融機関との交渉、具体的には「中小企業活性化協議会」での活用です。これは、金融機関からの借り入れが重く、倒産寸前の企業を支援する際、スポンサーをつけて再出発させるための交渉の場で、金融機関はスポンサー選定の妥当性や買収価格のエビデンス(証拠)を求めてきます。

これまでは、自社ネットワークでの打診では「打診数が少ない」という理由で、交渉が難航することが多々ありました。しかし、バトンズを活用することで、この状況が劇的に変わりました。

私たちは、自社ネットワークに加えて「日本で一番利用されているM&Aプラットフォームを通じて数百社に一斉に打診し、これだけの返信率が得られ、この企業がスポンサーとなった」というプロセスを説明できるようになったのです。

その結果、金融機関は「それだけ打診したら、もうこれ以上スポンサーは出てこないだろう」と納得され、債務免除の合意が得られるようになりました。バトンズさんの知名度と、一斉打診できるシステムの活用、そして返信率がエビデンスとして機能したことが最大のポイントです。

バトンズ上での打診件数、返信率、スポンサー決定プロセスの一元管理は、当社の業務効率を格段に向上させました。導入前は1社あたりの打診に約50分を要しておりましたが、バトンズ導入後は案件掲載・打診作業が約15分に短縮され、何百社への一斉打診が約3分で完了いたします。

その後の返信対応も1社あたり約5分と効率化され、1案件あたりの総作業時間が大幅に削減。生産性が飛躍的に向上しました。これにより生まれた時間は、新規案件の開拓、経営者とのコミュニケーション、スポンサー企業との信頼関係構築、従業員教育などに充てております。

M&Aを通じて、建設業界全体の底上げを図る

Q:貴社の今後の展望や、目指す方向性についてお聞かせください。

私たちの目標は、建設業界に大きな影響力を持つことです。業界には経営能力が未熟な経営者も多く、適切でない経営をしてしまうケースも散見されます。そういった課題に対し、できるだけ早期に、問題が小さなうちにサポートできるような存在になりたいと考えております。

当社はM&A仲介を事業の軸としていますが、それだけでは解決できない課題も多いため、人材紹介事業を今期からスタートしています。建設業は許可や資格が必要な業界であり、人材不足に悩む企業が多いため、PMI(経営統合プロセス)の一環としても人材補強は不可欠です。

また、再生案件の場合、案件によっては従業員の半数がリストラの対象となることもあり、そうした方々への支援も含めて人材紹介の許可を取得し、事業を進めております。

加えて、今後の新たな展開として資金面の支援事業を検討中です。緊急で資金が必要な企業が、銀行からの融資が受けられずに高コストのファクタリングに頼る現状を避けるため、我々が良心的な条件で債権を買い取るようなサービスです。

長期的には、これまでの経験と基盤を活かし、自己資金で企業をサポートして、成長が見込める企業に任せる「再生ファンド」の設立も視野に入れております。

建設業界は企業数が多く、もう少し集約化されるべきだと私は考えています。M&Aを通じて、優れた経営能力を持つ方が企業や人材を引き継ぎ、建設業界全体の底上げを図っていきたいと思います。

Q:最後に、DX部門の受賞を受けて一言コメントをお願いいたします。

受賞をいただけたことは非常に嬉しく、この受賞によって私たちの影響力もさらに増したのではないかと感じています。バトンズさんには、私たちアドバイザーに「やる気」を与えていただき、感謝しかございません。メンバーも喜んでくれており、本当にありがたい限りです。また次回も受賞できるよう、日々の活動に専念していきます。

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